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専門医療センター

不妊センター

センター紹介

当センターは1986年の開設以来、人工授精などの一般不妊治療では子どものできない不妊症の方を対象に、高度な生殖補助技術を用いて多くの実績を挙げてきました。その成果が評価され、現在では三河地域をはじめ、愛知県内外から多くの患者さんが来院されています。

不妊は、ご夫婦ふたりで取り組む問題です。ご夫婦おふたりの協力なくしては、不妊検査や治療を進めることはできません。まずは、お互いの気持ちを尊重し、ご夫婦でよく話し合っていただくことが大切です。また、不妊治療について勉強することをおすすめします。そうすることで、今後皆さんが受けられる診療内容が理解しやすくなり、よりご夫婦に適した治療を進めることができます。

不妊症で苦しむ多くの患者さんが妊娠を経験することはもちろん、より安全な妊娠、出産、お子さんの健やかな成長につながるよう、当センターでは医師、胚培養士(エンブリオロジスト)、不妊カウンセラーをはじめ、スタッフ全員で患者さんをサポートさせていただきます。どんなことでもご相談ください。

 

 

 

当センターでの主な診療内容

  • 不妊検査
  • 人工授精
  • 体外受精(IVF)
  • 顕微授精(ICSI)
  • 胚移植(ET)
  • 受精卵着床補助操作(AHA)
  • 胚凍結
  • 多血小板血漿療法(PRP療法)[PDF:147.9KB] など

多血小板血漿療法(PRP療法)に関する詳細はこちらの案内をご覧ください。
 (クリックするとPDFが開きます。[PDF:147.9KB])



不妊症とは

『生殖年齢の男女が妊娠を希望し、ある一定期間性生活を行っているにもかかわらず、妊娠の成立をみない状態』と定義され、日本では通常夫婦の90%以上が1年以内に妊娠することから、 正常な夫婦生活があって1年間妊娠しない場合とされています。




センターの歴史

当院では、1986年に不妊センターを開設して以来、中部地方で初めて顕微授精による妊娠に成功するなど、新しい技術の導入に力を入れてきました。
近年は、レーザーによる孵化補助法や紡錘体観察による顕微授精などの新しい技術が開発され、当院においてもこのような技術の導入により成績が向上しています。

1986年 不妊センター開設
1987年 ギフト法による妊娠に成功
1988年 体外受精による妊娠に成功
1994年 顕微授精法(ICSI)による妊娠に成功
1998年 凍結精巣精子-ICSIによる妊娠に成功。
1999年 未成熟卵子の体外培養-ICSIによる妊娠・出産に成功
胚盤胞移植による妊娠・出産
2006年 凍結未受精卵と凍結精巣精子を用いたICSIによる妊娠・出産
2011年 LaserによるAssisted Hatching導入
紡錘体観察によるICSI導入
2019年 タイムラプスインキュベーター導入
2020年 子宮内膜に対する多血小板血漿療法(PRP療法)を開始

センター特色

多様な取り組みと確かな技術で、

地域の信頼を得ています。

特色1治療技術
不妊治療に幅広く対応し、
高度な生殖技術を提供。



当センターでは、不妊に関する幅広い治療を提供しています。不妊症の原因ともなり得る疾患に対しては、産婦人科と連携。子宮筋腫や子宮内膜ポリープなどの検査・治療には、からだへの負担が少ない子宮鏡手術を取り入れています。また、妊娠しても流産や死産などを繰り返す不育症についても、新たな免疫療法を取り入れるなどして治療にあたっています。 また、高度な生殖補助医療を担う専門技術者として、3名の胚培養士(エンブリオロジスト)が常勤しています。胚培養士は、精液検査や良好な精子の収集、凍結保存、卵子の収集・培養、体外受精や顕微授精などを担当。受精卵を子宮に着床しやすくなるまで培養し、子宮に戻す移植をサポートするなど、その技術力が不妊治療の重要な要素となっています。

1.紡錘体観察による顕微授精、2.レーザーによる孵化補助法 (Assisted Hatching) 当センターでは受精率や妊娠率の向上を目指し、最先端の生殖補助医療技術を導入しています。その一つが紡錘体観察による顕微授精(1)で、紡錘体を観察し、状態の良い卵子を選んで顕微授精を行うことで、より確実な受精を目指しています。また、卵子の周りの透明帯にレーザーを照射し、あらかじめ穴を空けておくことで、移植時に卵子が孵化しやすい状態をつくる、レーザーによる孵化補助法(2)も採用しています。







 

特色2カウンセリング
カウンセラーがいつでも寄り添い、
ご夫婦の心をケア。



当センターでは、治療と同時にご夫婦の心のケアも必要と考え、早くからカウンセリングに力を入れてきました。現在は、不妊症看護認定看護師をはじめ、日本不妊カウンセリング学会認定のカウンセラーが在籍し、面接のほか電話やメール(お問い合わせフォーム)でもカウンセリングにあたっています。
不妊治療に不安はつきもの。そこで、初診時には診察前にカウンセラーが、患者さんの悩みやお話をお聞きし、多岐にわたる不妊検査や治療方法を説明します。不妊治療は治療のレベルがステップアップするにつれて、精神的、肉体的、経済的な負担も大きくなります。そのため、その都度、カウンセリングを受けていただき、患者さんが納得・同意の上で次の治療に入ることを重視しています。
こうした治療に伴うカウンセリングのほか、医師には聞きにくいこと、ご夫婦間での悩みなど、どんなことでも何度でも相談を受けており、患者さんにとって一番良い方法を、カウンセラーも一緒になって考えます。一方、不妊治療によって妊娠した妊婦さんの不安や悩みにも、引き続きカウンセラーが相談にのっています。
また、他院で治療されている方、まだ不妊治療までは考えてないが相談・カウンセリングだけを希望される方もお気軽にご相談ください。




 

特色3チームワーク
エキスパートが連携し、
チームワークによる治療を展開。



不妊治療は、各分野から集結したエキスパートたちの連携のもと、チームワークで進められます。例えば、胚移植の際、胚培養士が優良な受精卵を医師に提案したり、看護師が患者さんの様子を観察しながらカウンセラーに報告したりと、医師、胚培養士、カウンセラー、看護師などすべてのスタッフが、ご夫婦を支えるために密に連携。日頃から症例検討会などを重ね、より良い治療を追求しています。
男性不妊の場合は、泌尿器科とも連携して検査・治療を実施。また、不妊治療は妊娠に成功しても、流産・早産などのリスクに備えて、その後の経過を観察することも重要です。そこで、産婦人科と連携して無事に出産するまでを見守っていきます。 さらに、当院は総合病院でもあるため、もともと別の疾患を持っている患者さんの妊娠に対しても、さまざまな対策を練ることができます。持病を先に治療してから妊娠を考えたほうがいい場合もあり、各診療科と連携をとって治療を進めていきます。がん患者さんの場合は、治療前にあらかじめ精子や卵子の凍結保存なども実施。がんの治療後に、妊娠ができるようサポートしています。万一の緊急事態にも対応でき、当院ならではの総合力で安心を提供しています。

診療受付時間

月〜金曜日 8:15〜11:00
第2・4・5 土曜日 8:15〜11:00
  • 待ち時間が長くなり、ご迷惑をおかけすることがありますが、ご了承ください。
  • 午後の受付は行っていません。

初診の方は(高温期に来院してください。)

  1. 本館1階「4 総合受付」で受付を行ってください。
    お渡しする「診察申込書」に必要事項をご記入のうえ健康保険証を添えて「4 総合受付」へ提出してください。「受付票」をお渡しします。
    • お一人でご来院の場合も初診時夫婦二人分の診察券を作成いたします。また、氏名生年月日等、お二人分を確認させていただきます。
    • この「受付票」は最後のお支払いまでお持ちいただきます。
  2. 本館2階 婦人科・不妊センター「受付 I 」へ「受付票」を提出してください。
  3. 問診票を記入していただきます。その後、診察までしばらくお待ちください。
    • 基礎体温表を記入している方はお持ちください。
    • 「不妊治療問診票」と「配偶者・パートナー情報登録書」は、以下よりダウンロードしていただけます。あらかじめご記入のうえ、持参いただくと受付手続きがスムーズになりますので、ご活用ください。
    • 当院診察券をお持ちでない方はID番号は未記入のままでご持参ください。
    不妊治療問診票[PDF:258.2KB]
    配偶者・パートナー情報登録書[PDF:68.2KB]
  4. 診察を行います。
    1. 受付番号をお呼びしたら、診察室にお入りください。
    2. 医師の問診・診察・超音波診断・ホルモン検査などを行います。
    3. 診察後、医師が説明をします。
    4. 診察の前後に、不妊カウンセラーから検査や治療法についてご説明させていただきます。当院では、患者さんに治療方針をご理解いただき、ご希望に沿った不妊治療を進めていくため、初回の診察時に必ず不妊カウンセリングを受けていただきます。気になることがありましたら、不妊カウンセラーに何でもご相談ください。
      • 不妊カウンセリングを1日に受けていただける人数には制限があります。予めご了承ください。

その他

  • 事実婚の方も不妊治療を行っています。
  • ご主人の検査を初診当日に希望される場合は、健康保険証を持参のうえ、奥さまと一緒に
      本館1階「4 総合受付」で受付をしてください。

医師のご紹介

氏名 所属学会
不妊センター長
吉村 俊和
[よしむら としかず]
日本産科婦人科学会(指導医)
日本産婦人科医会
日本がん・生殖医療学会
日本産科婦人科遺伝診療学会
日本産科麻酔学会
日本産婦人科手術学会
日本受精着床学会
日本周産期・新生児医学会
日本生殖医学会
日本卵子学会
日本生殖内分泌学会
日本専門医機構(産婦人科専門医)

◆資格
母体保護法指定医
産婦人科部長
加藤 智子
[かとう ともこ]
日本産科婦人科学会(専門医)
日本医師会(認定産業医)
日本医師会(健康スポーツ医)
日本産科婦人科遺伝診療学会
日本産婦人科乳腺医学会(乳房疾患認定医)
日本抗加齢医学会(専門医)
日本外科感染症学会
日本化学療法学会(抗菌化学療法認定医)
日本母性内科学会

◆資格
母体保護法指定医師
NST医師教育セミナー修了
緩和ケア研修会修了
日本乳がん検診精度管理中央機構(乳房超音波判定医)
日本乳がん検診精度管理中央機構(マンモグラフィー読影認定医)
日本女性医学会 女性のヘルスケア研修修了
厚労省指定オンライン診療研修修了
周生期医療支援機構 ALSOプロバイダーコース修了
日本母体救命普及協議会 硬膜外麻酔急変対応コース ベーシックコース修了
日本周産期・新生児医学会NCPRインストラクター
日本集団災害医学会MCLS標準コース修了
臨床研修指導医
ICD制度協議会インフェクションコントロールドクター
産婦人科医長
岡本 治美
[おかもと はるみ]
日本産科婦人科学会(専門医) 日本産科婦人科学会(指導医)
日本産科婦人科学会(女性のヘルスケアアドバイザー)
日本産科婦人科内視鏡学会
日本超音波医学会
日本内視鏡外科学会

◆資格
母体保護法指定医師
緩和ケア研修会修了
日本周産期新生児医学会NCPR(Aコース)修了
日本母体救命システム普及協議会ベーシックコース修了
日本母体救命システム普及協議会硬膜外鎮痛急変対応コース修了
伊藤 博則
[いとう ひろのり]
日本産科婦人科学会(専門医)
愛知県医師会 母体保護法指定医
伊藤 真友子
[いとう まゆこ]
日本産科婦人科学会(指導医)
日本産科婦人科学会(専門医)
日本産科婦人科内視鏡学会(技術認定医)
日本内視鏡外科学会(技術認定医 産婦人科領域)
日本人類遺伝学会
日本癌治療学会
日本がん治療認定医機構(がん治療認定医)
日本婦人科腫瘍学会
須賀 清博
[すが きよひろ]
日本産科婦人科学会(専門医)
日本生殖医学会
日本IVF学会
日本婦人科がん検診学会
日本産婦人科遺伝診療学会
日本受精着床学会
母体保護法指定医
依田 暁
[よだ あき]
日本産科婦人科学会(専門医)
日本産科婦人科学会(女性のヘルスケアアドバイザー)
日本女性医学学会
日本生殖医学会
小林 新
[こばやし あらた]
日本産科婦人科学会(専門医)
日本産科婦人科学会(指導医)
日本女性医学学会(専門医)
日本抗加齢医学会(専門医)

費用について

2022年4月より生殖補助医療も保険適用になりました。 但し、年齢制限や回数制限があることや使用する薬剤によって自費診療になる場合があります。保険適用の場合、限度額認定を取得されることで治療費が所得に応じた限度額となります。詳しいことは受診時に不妊カウンセラーにお尋ねください。

内 容 保 険(3割) 自 費
採卵+新鮮胚移植
(排卵誘発剤+採卵入院+培養+胚移植)
190,000〜310,000円 580,000〜730,000円
凍結融解胚移植
(ホルモン補充+凍結融解胚移植)
60,000円 160,000円
多血小板血漿療法
(PRP療法)
   165,000円
  • 当院では現在、非配偶者間人工授精(AID)は施行しておりません。

「生殖補助医療」の保険適用に関して詳しくは下記をご参照ください。

不妊治療に関する取組 ー不妊治療の保険適用(厚生労働省)

カウンセリングについて

当センターには、不妊症看護認定看護師をはじめ、日本不妊カウンセリング学会認定のカウンセラーが在籍し、カウンセリングを行っています。
カウンセリングをご希望の方は、受診の際に不妊センター受付にお申し出ください。

初回診察時カウンセリングについて

当院では、患者さんに治療方針をご理解いただき、ご希望に沿った不妊治療を進めていくため、初回の診察時に不妊カウンセリングを受けていただきます。
気になることがありましたら、不妊カウンセラーに何でもご相談ください。

カウンセラーからのメッセージ

八千代病院不妊センターは1986年5月の設立以来、不妊の先端医療を担う病院として、専門的知識と経験豊富な医師、エンブリオロジスト、看護師がチームをつくり発展してきました。

不妊治療は日々研究が進み、新しい治療方法が発表される最先端の医療です。そのため、それを必要とされる患者さんには内容をよくご理解いただき、同意を得たうえで、治療を始めることが求められています。

 

体外受精を受けられる方には、その方法、スケジュール、妊娠率、副作用、胚凍結に関することなど細かくご説明し、納得して受けていただくようにしております。カウンセリングは個別に行っていますが、ご夫婦同席の場合が多く、なるべくリラックスした雰囲気でお話しできるよう心がけています。

 

男性不妊の方も多く、精子の状態によっては、泌尿器科と連携して精巣上体や精巣から精子を採取、顕微授精が行われます。その方法や費用についての質問もあります。また、電話で男性からの問い合わせも増えています。

その他、今現在の自分の治療の状態や、このまま治療を続けた場合の見通しについてのご質問、悩んでいること、わからないこと、誰にも言えないから聞いてほしいことなど、さまざまな相談があります。

 

どんなことでもお話しください。話しているうちに自分の気持ちが整理できたり、心が楽になることがあります。

 

不妊症は、先の見えない疾患と言われます。なかなか妊娠できない、また、妊娠したと思ったら流産ということもよくあります。治療が長引けば、経済的、精神的、肉体的にも負担を強いられます。さらに周囲の理解も得られず、孤独で追いつめられた状態になり、悩まれる方もいらっしゃいます。長いトンネルに入ったみたいとか、次を期待してやめられなくなる、というお声をうかがったこともあります。

 

体外受精、顕微授精など、生殖補助技術は日進月歩、新しい方法が行われます。今まであきらめていた方が、希望を持てるようになりよいことですが、それだけに選択を迫られたり、悩んだり、落ち込んだりすることも多くなります。 治療に対する期待が大きければ、それだけ不安や、不成功のときの落胆も大きくなるでしょう。その連続かもしれません。

 

そんなときも一人で悩まないで、カウンセリングのコーナーへお立ち寄りください。何でも話せる場所です。声をかけてください。

相談受付

当センターでは、電話およびメールによる不妊のご相談に応じております。秘密は厳守しますので、お気軽にご相談ください。

電話相談

☎0566-97-8111(代)

上記代表におかけのうえ、「不妊センターへ」とお伝えください。
すぐにお取り次ぎします。



【相談受付時間】

月〜金曜日 10:00〜15:00


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