看護部門
■外来
当院の外来は18の診療科と専門医療センターなどの専門外来、フットケア外来や助産師外来などの看護専門外来で構成されています。通常診療のほか、地域の開業医からの紹介を受け入れており、さまざまな症状や疾患をもった患者さんの診療、療養支援をしています。
外来部門には下記4分野の認定看護師や、療養指導士・ケア専門士などの資格をもつスタッフが在籍しており、各診療科で専門性を活かした看護を提供しています。患者さんのニーズをとらえ、多職種で連携をとって患者さんが安心して治療に臨むことができるよう、地域でその人らしく療養が継続できるよう支援しています。
看護の特徴
●外来では、糖尿病看護、がん化学療法看護、不妊症看護、認知症看護の4分野の認定看護師が活躍しています。患者さんやご家族へのケアやアドバイスはもちろんのこと、他の看護師への指導・コンサルテーションも行なっており、外来看護の質向上に努めています。
■救急外来
西三河南部西医療圏の2次救急病院として、24時間体制で救急医療に対応しています。来院されたら、まず患者さんにトリアージを行って重症度を判断し、速やかに診察・検査・処置ができるよう、医師をはじめ全職種と連携して業務を行なっています。
看護の特徴
●年間の救急車搬送患者数は約3,500件、救急外来受診者数は約12,000人にのぼります。
●時間外の緊急カテーテル検査や緊急内視鏡検査の対応ができる看護師が常に勤務し、24時間迅速に対応できるよう体制を整えています。
■中央手術部
24時間緊急手術に対応し、年間約3,000件の手術を行っています。地域の医療ニーズに応え、生殖医療から、青年期のスポーツ外傷、壮年・中年期の消化器疾患、脊椎や泌尿器疾患、老年期の骨折や白内障など各世代の多様な手術を行っています。また、専門医療センターとして鏡視下手術センター、脊椎・脊髄疾患センター、不妊センター、尿路結石治療センターが置かれ、先進の治療を行なっています。私たち手術室看護師はそれらの専門的な手術に対応し、患者さんにとって安全・安心な周術期医療・看護の提供ができるよう取り組んでいます。
看護の特徴
●術前訪問を実施し、患者さんやご家族に寄り添い、手術に対する不安の軽減に努めています。また術中訪問を通して手術中のご家族の不安軽減や、術後訪問を通じて手術看護の振り返りを行い、今後の手術看護につなげています。
●手術室には臨床工学技士、薬剤師が常駐しており、医療機器や薬剤の専門的な管理を担ってくれています。
■5A病棟
5A病棟は外科、泌尿器科の病棟です。外科領域では食道・胃・大腸・肝臓などの消化器がんや乳がん、胆石症、鼠径ヘルニア、虫垂炎など、泌尿器科領域では膀胱・前立腺のがん、尿路結石などで手術を受ける患者さんをはじめ、がんの化学療法、放射線治療、緩和ケアを目的とした患者さんを受け入れています。
急性期から終末期までさまざまな患者さんが入院しており、ご本人・ご家族とともにどのように生きていきたいか、どのような最期を迎えたいかを一緒になって考え、より良い生活が送れるよう援助しています。
HCU(高度治療室)は8床を有しており、術後管理が必要な患者さん、人工呼吸器やIABPによる管理が必要な患者さん、血液浄化療法を行う患者さんなど一般病棟では管理が難しい患者さんを受け入れています。
看護の特徴
●周術期看護をはじめ、化学療法、放射線治療、緩和ケアなど看護師にも高い専門性が求められます。また、当病棟ではストーマケアや褥瘡ケアにも力を入れており、スタッフ間で知識や技術を高め合う風土があります。
●HCUでは24時間体制で患者さんの状態を観察し、状態変化の早期発見・早期対応に努めています。
■5B病棟
5B病棟は脳神経外科、整形外科、眼科、耳鼻いんこう科、神経内科を主とする急性期混合病棟です。対象疾患の特徴から広範囲な年齢層と障害を受けた患者さんが多く入院されています。
車いす・杖などの使用も多いため、安全な入院環境の整備に努めています。周術期から退院支援まで、患者さんやご家族を主体とした意思決定支援を多職種とともに推進しています。
主な対象疾患
脳神経外科:脳出血、脳梗塞、慢性硬膜下血種、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など
整形外科:大腿骨頸部骨折、圧迫骨折、スポーツ外傷など
眼 科:白内障、緑内障など
耳鼻いんこう科:副鼻腔炎、扁桃炎など
神経内科:パーキンソン病、認知症など
看護の特徴
●病棟には脳卒中リハビリテーション看護認定看護師が在籍しており、指導やコンサルテーションを通じて、病棟看護師の実践能力がさらに伸ばせるよう支援しています。
●病棟内におけるグループ活動では各診療科担当があり、学習会や業務改善に取り組むことでスタッフ個々の自律性を高めています。
■4Aレディース病棟
4A病棟は、産婦人科を主体とした女性入院患者のみのレディース病棟です。医師・助産師・看護師・薬剤師・看護助手・病棟クラークなど多職種が関わって病棟が成り立っています
当院では年間約470件(2023年)の分娩を行い、そのうち約3割で無痛分娩(硬麻)を実施しています。病棟では周産期ケアを中心に看護を行っていますが、継続支援で妊娠期の各教室や産後ケアを助産師が中心となって展開しています。また、母性看護学実習の看護学生を年間9校から受け入れており、看護学生指導も常時並行して行っています。
看護の特徴
●妊産婦や患者さんがより良い環境で過ごせるよう日々努力をしています。マタニティフォトスポット、ママカフェ、退院指導などスタッフからの提案でいろいろな改善がされています。
●意欲の高いスタッフが多く、専門性を高めるためにさまざまな資格を取得しています(マタニティ鍼灸・ヨガインストラクター・アロマセラピー・NCPR・周産期メンタルヘルス・母体救急など)。
●産婦人科を主体とした病棟ですが、眼科、整形外科、脳神経外科、耳鼻科の女性患者、小児科の患児も受け入れています。
■4B病棟
4B病棟は、循環器、呼吸器、内分泌、腎臓など幅広く内科疾患の患者さんをケアしています。
急性期疾患の患者さんの治癒を促せるよう看護ケアを行うのはもちろんのこと、慢性疾患を抱える患者さんが悪化せず、安心して在宅で療養生活が送れるように患者教育にも積極的に取り組んでいます。中でも心不全に対する療養指導と糖尿病の教育入院に力を入れています。
看護の特徴
●内科疾患の特性上、高齢患者さんが多いため、看護師だけでなく医療チーム全体でより良いACPができるよう取り組んでいます。
ACP:アドバンス・ケア・プランニング(人生会議)
将来の状態の変化に備え、希望する医療やケアについて患者さんがご自身で考え、ご家族や医療関係者と一緒に話し合い、共有するプロセスを「ACP」といいます。命の危機が迫った状態になると、約70%の方が今後の医療やケアについて自分で決めたり周りの人に伝えたりすることができなくなるといわれています。最後まで自分らしく生きるために、自身が望む治療やケアに関する考え方やその根源にある想いを周囲の人たちと共有しておくことが大切です。
■4C病棟
4C病棟は、消化器疾患を中心とする内科系疾患の患者さんをケアしています。病期では急性期から終末期まで、年齢では若年層から高齢者まで幅広い患者さんが入院しています。中でも急性期の患者割合が高く、消化器領域では内視鏡による検査・治療や緊急を要する処置が中心となります。
多職種でカンファレンスを行い、患者さんにとって何が一番良い医療・看護ケアなのかを考え、入院中を含め退院後も患者さんが自分らしく生活できるように支援することを大切にしています。
主な対象疾患
消化器領域:胃・十二指腸潰瘍、肝炎、肝硬変、胆石、膵炎、大腸ポリープ、虚血性腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病など
その他:肺炎、尿路感染症、加齢に伴う疾患など
看護の特徴
●看護体制は固定チームナーシングをとっており、疾患に対する不安や苦痛を感じている患者さんやそのご家族にチームで寄り添い、安心・安全な入院生活を送れるよう看護することを心がけています。
●急性期病棟のため、検査や緊急を要する処置が多いですが、患者さんが安心して入院生活を送れるよう、スタッフ同士で協力し合う活気のある病棟です。
■3A療養病棟
3A療養病棟は、急性期を過ぎ病状が安定したものの自宅で過ごすにはもう少し療養が必要な方や、医療管理を必要とするために自宅退院や施設入所までに時間が必要な方、また、在宅介護を受けておりご家族の休養等のために短期入院(レスパイト入院)を希望される方などを受け入れる病棟です。
院内急性期病棟からの転棟のほか、他の急性期病院から転院される患者さんも積極的に受け入れており、多職種で協働し、患者さんの病状の安定に努めながら療養生活の援助を行なっています。
看護の特徴
●病棟看護師・介護福祉士・看護助手らがそれぞれの役割を十分発揮できるようカンファレンスを行い、各種専門チーム(栄養・褥瘡・排泄機能など)と連携し、患者さんお一人おひとりの状態に合わせて、その時々に必要な最適なケアを行う「プライオリティケア」を実践しています。
●長期にわたり療養を必要とする患者さんが多く、患者さんが大事にしていることをご本人やご家族からお聴きし、可能なかぎりその人らしい療養生活が送れるように支援しています。
●口腔ケアや入浴介助など、患者さん個々の状態に合わせたきめ細かなケアができるよう、介護福祉士を中心に取り組んでいます。
■3B回復期リハビリ病棟
回復期リハビリ病棟では、急性期治療後のリハビリテーションが必要な患者さんに対し、自宅復帰を目的として、日常生活での活動能力を向上するためのリハビリ・看護を提供しています。
リハビリ専門医・認定医を中心に、看護師・介護福祉士・各リハビリ療法士・医療ソーシャルワーカー・薬剤師・管理栄養士など多職種が連携し、患者さんの治療・リハビリをサポートしています。
看護の特徴
●入院時より患者さんの病状や日常生活動作※を確認し、個々の状態に合わせて病室の環境を整え、退院後の生活を見据えたリハビリの目標を多職種で相談し決めていきます。
●退院前には、各リハビリ療法士や医療ソーシャルワーカーが患者さん・ご家族と一緒にご自宅を訪問します。住宅の状況を確認して、必要であれば住宅改修などの環境整備のアドバイスを行い、安心してご自宅に退院できるようにサポートします。
※日常生活動作(ADL)
日常生活を送るために必要となる基本的な動作のことで、身体能力や日常生活レベルをはかるための重要な指標
■3C地域包括ケア病棟
地域包括ケア病棟は、急性期治療を終えて病状は安定したものの、自宅や施設に帰るにはもう少しリハビリや退院調整が必要な方や、自宅や施設で治療をするには不安がある方、レスパイト入院などを受け入れる病棟です。
院内急性期病棟からの転棟のほか、市内外の急性期病院からの転院、在宅や施設からの入院など、診療科を問わず幅広い患者さんを積極的に受け入れています。医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医療ソーシャルワーカー・介護福祉士・看護補助者など多職種で協働し、患者さんの在宅・生活復帰に向けた検討と支援を行っています。
看護の特徴
●土日祝日も休まずリハビリやレクリエーションを行い、患者さんの離床機会を増やし、生活の場に戻るための支援を多職種で行なっています。
●入院1〜2週間後に初回カンファレンス、退院前に退院後の生活を見据えた退院カンファレンスを行なっています。初回カンファレンスでは患者さん・ご家族がベストなタイミングで退院できるように、現在の状態説明から退院までの目標を患者さん・ご家族と医療スタッフで共有します。退院前カンファレンスでは、退院後の準備・不安解消のためケアマネジャーや各施設担当者と情報を共有し、病院から在宅生活へスムーズに移行できるように支援しています。
■訪問看護
病気や障害により自宅で療養生活を送っている方を対象とした看護サービスです。医師の指示により自宅や入所施設へ訪問し、ケアを行います。ご本人・ご家族の意思やライフスタイルを尊重し、その人らしく生活できるように悪化予防から在宅看取りまで在宅療養全般を支えます。
看護の特徴
●利用者さんのご希望に沿って生活の質を高め、生活の幅を広げるために、リハビリ専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)と協働でケアに取り組んでいます。
●在宅看取りの経験豊富な看護師が多く、スタッフ間でコミュニケーションを図りながら、利用者さんとご家族に寄り添う看護を行っています。
■居宅介護支援
要介護認定を受けた方からのご依頼に応じて、ケアマネジャー(介護支援専門員)がケアプラン(介護サービス計画)を作成し、適切なサービスが行われるよう、サービス事業者や関係機関との連絡調整を行います。また、ケアマネジャーは介護サービスの開始後も、ご利用者の心身の状態や置かれている環境、ご本人やご家族の意向などをお伺いし、サービスの調整を行います。
看護の特徴
●現在6名のケアマネジャーが在籍しており、うち4名は経験年数10年以上で認定ケアマネジャーと主任マネジャーの2つの資格を所有しています。
●病院で看護師やリハビリ専門職を経験した後、ケアマネジャーの資格を取得したスタッフが多く、専門知識や経験を踏まえたケアプランの提案が可能です。また、病院スタッフとの調整や連携がスムーズなため、柔軟な対応ができます。