妊娠中の経過が順調な方はできるかぎり自然分娩をめざします。ただし、リスクが大きいと判断した場合は予定帝王切開、あるいは緊急帝王切開を選択することがあります。分娩方法は母児の安全を第一に考慮し、ご本人の希望も尊重してご提案します。
なお当院では、妊婦さんの希望に応じて和痛・無痛分娩を行っています。とくに陣痛の痛みに弱い方や不安の強い方は、和痛・無痛分娩を選択することで心身の負担が軽減し、お産がスムーズに進む可能性があります。
詳しくは下記をご覧ください。
和痛・無痛分娩
和痛・無痛分娩とは、麻酔によって陣痛の痛みを和らげ分娩する方法です。一般的には硬膜外麻酔(カテーテルを背中から脊髄の近くに入れ、そこから麻酔薬を少量ずつ注入する方法)を使用して下半身の痛みだけを軽減します。
この方法では痛みが完全になくなるわけではありません。赤ちゃんが下りてくる感覚や子宮の収縮をある程度感じながら分娩を進めます。そのため「和痛分娩」と呼ばれることもあります。
当院の無痛分娩実績(2024年度)
日本では全分娩のうち11.6%が無痛分娩となっており、近年増加傾向にあります。
●和痛・無痛分娩を希望される方へ
妊婦健診の際、医師に和痛・無痛分娩希望の旨をお申し出ください。
助産師外来で方法、メリットとデメリットについて詳しくご説明します。
和痛・無痛分娩時の注意事項
- 当院の場合は計画分娩となるため、前日に入院をします。
- 麻酔の効き目には個人差があります。
- 和痛・無痛分娩時は十分に産婦や児の状況をみさせていただきますが、急変する可能性もあります。
そのため夜間および休日は和痛・無痛分娩をお断りさせていただいています。 - 和痛・無痛分娩は通常の分娩に比べ、出産費用が高くなります。
- 和痛・無痛分娩についてさらに詳しく知りたい方は、
日本産科麻酔学会ウェブサイト「無痛分娩Q&A」をご覧ください。
里帰り分娩
ふるさとの慣れ親しんだ環境の中でリラックスしてお産したいという方のために、里帰り分娩を受け入れています。
分娩する施設を検討中の方のご相談にも応じています。お気軽にお問い合わせください。
●里帰り分娩を希望される方へ
他院通院中で当院での分娩を希望される方は、妊娠20週までに一度紹介状を持って受診してください。
受診後、分娩予約の手続きについて説明させていただきます。
※急な転勤で分娩施設にお困りの方のご相談にも応じています。遠慮なくご相談ください。
立ち会い分娩
ご希望があれば、パパの立ち会いが可能です。パパが精神的な支えになることで心身ともにリラックスして分娩に臨めます。
●立ち会い分娩を希望される方へ
- 助産師外来でバースプランの確認をします。立ち会い分娩を希望される方は、その際にお申し出ください。
- 立ち会いをされるパパは事前にママとともに分娩に対する知識を習得し、どのような関わりをしたいのかを話し合っておきましょう。院内で開催している安産教室への参加もおすすめします。
- 感染予防と安全対策のため、立ち会いはパパのみとさせていただきます。なお、立ち会い時は2週間前より発熱・体調不良などの確認をさせていただきます。
母児同室指導/退院支援
ママと赤ちゃんの状態が良ければ、ご希望により出産当日から母児同室で過ごしていただけます。産後すぐに赤ちゃんとふれあうことでママになった喜びを感じ、母子の絆を育むことができます。また入院中に赤ちゃんのお世話や授乳に慣れることができるため、退院後の赤ちゃんとの生活にスムーズに移ることができます。もちろん、産後はママの体力回復も大切です。疲れているときはスタッフが赤ちゃんをお預かりしますので、安心してください。
●母児同室指導と退院指導
赤ちゃんとの生活に慣れ、自信をもって退院していただくために、お部屋で助産師が赤ちゃんのお世話の仕方や授乳の方法をていねいにお伝えします。ママと赤ちゃんのペースを大切に、それぞれのご家族に合ったきめ細かなアドバイスや指導を心がけています。
授乳がうまくいかないとき、赤ちゃんがなぜ泣いているのか分からないとき、一緒にいて心配なことはいつでも、何でも聞いてください。助産師がその都度お答えします。