専門医療センター
■センター紹介
鏡視下手術(腹腔鏡手術)は、1990年代から普及した「からだに優しい」手術です。八千代病院では、1994年に腹腔鏡下胆嚢摘除術を開始して以来、対応手術を拡大し、婦人科・外科・泌尿器科・整形外科において実績を重ねてきました。当院ではさらに患者さんのお役に立てるよう機器を充実するとともに、ご利用いただきやすいように鏡視下手術センターを設立しました。
鏡視下手術とは
直径2〜10mmの細長いビデオカメラを手術部位に挿入し、テレビモニター上に映し出された映像を見ながら行う手術です。カメラのシステムは消化管や気管支内視鏡と同様です。腹腔では視野を得るために炭酸ガスを注入して空間をつくります。
手術には、鏡視下手術専用の細くて長い機器を用います。鏡視下手術のために開発された超音波切開凝固装置やさらに止血力の強い血管シールシステムも導入しました。麻酔は主に全身麻酔を用い、呼吸、循環の監視下に手術を行います。
鏡視下手術の利点と欠点
<利点>
- 小さい構造物も拡大して観察できる。
- 傷のあとが小さく、手術後の痛みが少ない。
- 快復が早く、手術後の早い時期から歩行や食事ができる。
- 入院期間が短く、早期の職場、社会復帰ができる。
<欠点>
- 視野の制約のため、手術部位以外の臓器損傷をきたしうる。
- 手術操作の制約のため、手術時間が長くなることがある。
- 過去に手術の既往があれば癒着で完遂できないことがある。
(開腹手術に移行する)
高画質4Kカメラと3D内視鏡システムの導入
4Kカメラシステムは、高精細な映像を提供し、手術中の微細な部分まで鮮明に確認することができます。この高精度な映像により、執刀医は手術の細部まで詳細に把握し、より正確で安全な手術が可能となります。
3D内視鏡システムは、手術部位の立体的な視覚を確保します。奥行き感のある映像を提供することで、複雑な手術でも精密な操作が可能となります。特に、深さや距離感を正確に把握することが求められる手術において非常に有用です。
当院では、これらのシステムを手術の種類や状況に応じて使い分けることで、より安全で精密な鏡視下手術を提供しています。
■外科
対応手術
- 胆嚢摘除術
- 人工肛門造設術
- 胃切除術
- 胃全摘術
- 胃瘻造設術
- 結腸・直腸切除術
- 虫垂切除術
- 小腸切除術
- 肺部分切除術
- 腸閉塞手術
- 肝嚢胞開窓術
- 肝部分切除術
- 鼠径ヘルニア・腹壁ヘルニア除術
- 直腸脱手術
■泌尿器科
対応手術
内視鏡的手術
- 経尿道的前立腺切除術 TUR-P(Trans Urethral Resection of Prostate)
- 経尿道的膀胱腫瘍切除術 TUR-Bt(TransUrethral Resection of Bladder tumor)
- 経尿道的尿管砕石術 TUL(TransUrethral Lithotripsy)
- 経皮的腎砕石術 PNL(Percutaneous NephroLithotripsy)
- 内視鏡的腎盂形成術 Endopyelotomy
体腔鏡下手術
- 腹腔鏡下根治的腎摘出術(Laparoscopic radical nephrectomy)
- 腹腔鏡下腎尿管全摘除術(Laparoscopic nephroureterectomy)
- 腹腔鏡下副腎摘出術(Laparoscopic adrenectomy)
- 腹腔鏡下腎盂形成(Laparoscopic pyeloplasty)
■整形外科
対応手術
膝関節鏡手術
- 前十字靭帯再建術(Arthroscopic ACL Reconstruction)
- 半月板縫合術(Arthroscopic Meniscus suture)
- 半月板切除術(Arthroscopic Meniscectomy)
- 膝內側側副靭帯再建術(Arthroscopic MCL Reconstruction)
- 膝大腿膝蓋靭帯再建術(Arthroscopic MPFL Reconstruction)
- 鏡視下骨接合術(Arthroscopic Internal Fixation for Fracture)
肩関節鏡手術
- 鏡視下腱板修復術(Arthroscopic Rotator Cuff Repair)
- 鏡視下Bankart修復術(Arthroscopic Bankart Repair)